「北京環境取引所」が5日、北京の金融大街で正式にオープンした。「上海環境エネルギー取引所」も同日、上海で正式に業務を開始した。「国際金融報」が伝えた。
「京都議定書」が05年2月16日に発効して以来、温室ガスの排出枠は取引の対象となった。世界銀行の推計によると、08年から12年までの世界の「炭素取引」の需要量は7億~13億トンに達し、取引額は年間140億~650億ドルとなる。そのうち中国は3分の1の排出枠の提供元となり、取引額は150億ドルを超えるとみられる。
中国は現在、世界最大の排出枠取引国となっており、排出枠の購入に訪れる海外の投資ファンドも増えている。中国国内の炭素取引市場では現在、海外の買い手が中国側の売り手企業と直接話し合いを行うのが普通で、長期的な契約や低価格での買い取りがなされるケースが多い。取引の不透明性や情報の非対称性などにより、中国側の立場が弱く、取引価格が国際価格とかけ離れている現状だ。欧州市場での炭素取引価格が1トン25ユーロなのに対し、中国での海外企業の購入価格は1トン5~10ユーロに過ぎない。
さらに一部の先進国に設けられた炭素取引所も、中国に進出し始めている。例えば、シカゴ気候取引所はすでに、4つのメンバー機構を中国に持っている。中国が一刻も早く排出枠取引所を設けなければ、炭素取引における価格決定権を喪失し、国際競争のなかで受動的な立場に立たされる状況だった。
中国は「京都議定書」の締結国の1つだが、発展途上国であるために、排出量の強制削減の対象にはなっていない。ただ業界関係者によると、世界と国内の状況から考えて、中国も最終的には排出量の強制削減対象となる見込みだ。中国企業がこのような大きな変化に適応するためには、クッションとなる市場メカニズムが必要となる。「環境取引所」の建設はこの需要を満たすものとなった。
「人民網日本語版」2008年8月6日 |