あるデータによると、2007年にアジアで最も利益を上げた銀行となった中国工商銀行は、今年上半期にも90億ドルを超える利益を上げており、現在世界で最も利益を上げた銀行に躍り出る可能性がある。昨年の世界利益高ランキングでの順位は6位だった。「上海証券報」が伝えた。
同行が7月上旬に発表した預増に関する公告によると、08年上半期の利益は前年同期比50%以上増加した。07年上半期の利益は約410億元で、ここから今年上半期の利益は615億元(現在のレートで換算すると90億ドル)を超えたものと推計される。
ある統計によると、2007年に世界で最も利益を上げた銀行である匯豊持ち株有限公司(HSBCホールディングス)の今年上半期の利益は、前年同期比約29%減少の77億2200万ドルだった。昨年世界2位のスコットランドロイヤル銀行は巨額の資産の評価額が下がったため、上半期に約16億ドルの欠損を出した。3位のスペインのサンタンデール銀行もこのほど、資本収益率の低下や貸付金の損失引当金の増加などにより、第2四半期の財務では利益率が5%低下したと発表。また4位のJPモルガンチェースの今年上半期の利益は43億7600万ドルで同51%低下し、5位のバンク・オブ・アメリカは46億2千万ドルで同58%低下し、いずれも世界で最も利益を上げた銀行になる可能性は低くなった。
ある業界関係者の分析によると、工商銀行の利益が高い水準の伸びを維持している原因として、ここ数年来の発展モデルや経営モデルの主体的な調整、新たな利益成長点の多方面からの育成への努力、経済周期の変動が銀行の利益にもたらすマイナス影響の軽減といった取り組みが第一に挙げられる。現在、同行の総資産約9兆4千億元のうち、貸付資産の占める割合は約45%にとどまり、預金と貸付金の利差収入が総収入に占める割合は約50%となっている。また中間業務の分野でも強い利益獲得力を示し始めており、2003~07年には手数料収入の複合年間成長率が57.2%に達し、今年第1四半期(1~3月)の手数料収入は前年同期比86.4%増加の121億元に上り、営業収入全体の15.9%を占めた。
また同行は外貨建て債券への投資に慎重で、米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き問題の影響を避けることができた。この問題はまさに世界の数多くの大手銀行の上半期利益を大幅に減少させた原因だ。
「人民網日本語版」 2008年08月13日
|