(2)物価上昇を抑制できるか
下半期の経済活動について、中央政府は物価の急激な上昇の抑制をマクロ調整の第一の任務と位置づけ、インフレ抑制を重点目標に据えている。今回の「報告」でも、物価上昇圧力の大きさを、現在の国内の経済運営における第一の問題として取り上げている。年初以来、国はマクロ調整を強化し、生産や流通などの分野で一連の措置を取り、一部の地域で集中的に発生した穀物・食用油製品価格の急騰を緩和した。こうした様々な措置の総合的な作用を受けて、消費者物価指数(CPI)の上昇率は5月以来3カ月連続で低下した。だがそれでもCPIはなお高水準にあり、価格上昇を促す要因は依然として多く存在する。初級製品の国際価格は高止まりし、国内では土地価格や労働力コストの上昇が企業コストを増大させている。これに初級製品の旺盛なニーズが加わり、物価上昇の抑制は非常に難しくなっている。
全人代常務委員会の范徐麗泰委員は「物価上昇は世界的なもので、一部の要因は中国国内でコントロールできない。だが国は引き続き物価上昇ペースの抑制に努力する必要がある」と話す。
「報告」によると、今年下半期には価格の急激な上昇の抑制に力を入れることになる。具体的な措置として▽穀物・食用油製品・肉・野菜など国民の基本的な生活必需品の生産を積極的に増やす▽各種の違法・ルール違反の価格つり上げ行為を厳しく取り締まる▽低所得層および大学生などを対象とした補助金政策を実施し、充実させる――ことなどが挙げられる。
国家統計局の姚景元チーフエコノミストは「下半期の物価情勢は安定すると強く信じている。中国共産党中央委員会や国務院には、物価上昇を受け入れ可能なレベルに抑制する決意も能力もあるからだ」と話す。
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