「国際金融報」はこのほど、上海財経大学現代金融研究センターの副教授と修士課程の大学院生による、中国資本の金融企業の海外進出に関する長編の論考を掲載した。主な内容は次の通り。
中国資本金融企業の成長過程で、海外での経営は欠かせない。海外経営により、海外市場でのシェア獲得、国際的ブランドの構築、製品チェーンの拡充、投資収益の増加といった利益を得られるようになる。こうしたわけで、国内の主立った金融機関の相次ぐ海外進出の理由を理解することは難しくい。現在、海外金融機関は苦境にあり、買収価格が大きく低下しているため、多くの中国企業が国を超えた合併買収(M&A)のチャンスが到来したと考えている。こうした背景の下で、海外での拡張を狙う中国金融機関が集団で海外に打って出ているような感さえある。
中国資本企業がこぞって海外進出を選択したとしても、実際の成果はさまざまだ。中国国家開発銀行は英国のバークレー銀行に出資したが評価損を出し、ドイツのドレスナー銀行の共同買収計画もさまざまな原因で頓挫している。また中国投資公司によるブルー・シフト・テクノロジー社への株式参入や中国平安保険による富通集団への株式参入による巨額の評価損のニュースは、多くの人を失望させた。一方、中国工商銀行の海外拡張計画は順調で、南アフリカのスタンダード銀行への出資でも、澳門(マカオ)の誠興銀行への出資でも利益を上げている。また米国ニューヨークでの支店設立申請が近く米連邦準備制度理事会(FRB)の認可を受ける見込みだ。
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