ホーム>>経済>>視点
中国不動産の底値買いを狙い、外国資本が動く
発信時間: 2008-09-01 | チャイナネット

低迷期を迎えている中国の不動産市場に外国資本が流入している。米モルガン・スタンレーは現在、中国の不動産市場への投入を拡大するため、100億元の投資金を準備しているという。「北京商報」が伝えた。

中央銀行はこのほど、不動産ローンを厳しく規制する通知を発表した。不動産業界への調整を継続し、引き締めを強化していくというシグナルだ。この調整期にあたり、ディベロッパー側は資金不足に陥っている。高利のローンを負っている業者も少なくなく、より大きな損失を防ぐための売りも多くなっている。不動産の「首創」は20日、開発資金の不足を補うための株式譲渡を行った。「招商」「雅居楽」「瑞安」などの有名な不動産企業も不動産プロジェクトの株式譲渡を発表している。

「雅居楽」の株式譲渡の相手となったのは、世界的に有名な投資銀行のモルガン・スタンレー。「雅居楽」は7月4日、モルガン・スタンレー社傘下の海外ファンドとの同意に達し、海南省清水湾総合リゾートプロジェクトの株式30%を52億8千万元でモルガン・スタンレーに販売することを発表した。同プロジェクトの敷地面積は973万平方メートル。床面積1平方メートルあたりの値段は340元にすぎない。モルガン・スタンレー社は販売時との価格差で大きな利益を得ることが予想される。

不動産プロジェクトを低価格で購入し、市場の復活後に高く販売して利益を得る。資本を自在に操る投資銀行がこのようなチャンスを見逃すはずがない。米モルガン・スタンレーは現在、中国の不動産市場への投入を拡大するため、100億元の投資金を準備しているという。モルガン・スタンレーのほかにも、ブラックストーン・RZP・キャピタランドなど多くの外資企業が、中国の不動産市場の変動期に乗じた一部のプロジェクトの購入をねらっている。

「もともと、大型企業が小さな企業を併合し、業界再編を実現することを期待していた。だが大型企業はこの変動に直面し、戦線を後退させてしまった。これが外国資本にチャンスを与える結果となった」と業界の専門家は語る。「国際資金が不動産市場を投機対象とするのを防ぎ、不動産市場や経済全体に影響が出るのを防ぐため、不動産業への外国資本の直接投資に対しては、国も多くの規制を設けている。ただ不動産プロジェクトの株式については規制がない。多くの外国資本がこのチャンスをねらっており、投機的な売買を防ぐためにはさらなる措置が必要だ」。

「人民網日本語版」2008年9月1日

  関連記事
  同コラムの最新記事

· 中国金融企業の海外進出について再検討

· 中国経済発展の5つのテーマ

· 全人代常務委員が減税を呼びかけ

· 1~7月「経済成長は緩やかに鈍化」発展改革委報告

· インフレ抑制を重点課題に 発展改革委