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人民元の米ドル以外の通貨に対するレート基準値は、人民元の対米ドルレート基準値と国際金融市場における米ドルのその他の通貨に対するレートとを踏まえて算出されるものだ。このため中国人民銀行(中央銀行)は外国為替市場で人民元の対米ドルレートに介入する場合、必ず人民元の非米ドル通貨に対するレートの変動に配慮することになる。
いいかえれば、人民元の対米ドルレート基準値の確定と中央銀行の外為市場への介入の度合いとは、必ず人民元の対米ドルレートと人民元の対非米ドルレートとの間でバランスを取らなければならないということだ。米ドルの一部の通貨に対するレートが急速に値上がりする情況の下で、人民元の対米ドルレートが急上昇すれば、
人民元の対非米ドル通貨レートは一層急速に上昇し、人民元の実効レートの急速な上昇をもたらし、中国の全体的な輸出水準にマイナスの影響を与えることになる。また一方では、人民元の一部の非米ドル通貨に対する値上がりにより、中央銀行が外貨を購入する場合に投入する人民元の量も変わってくる。
人民元の対ユーロ・英ポンドレートの上昇率が大きければ、中央銀行の介入圧力が下がり、同額のユーロ・英ポンドを購入する場合でも、必要な人民元の額が相対的に減少することになる。こうなると外貨購入に際して必要な人民元の増加率が減少する。
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