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ある意味では、人民元の米ドルと香港ドルに対する双方向の変動ぶりは明らかで、客観的にみて両通貨に対する人民元レートの動きの不確定性を増大させ、投資家は人民元の急速な値上がりの利点を理解しにくい為、米ドル資産や香港ドル資産を含むホットマネーのさらなる流入を抑えるのにプラスになっているといえる。
だが人民元の対ユーロ・英ポンドレートの急速な上昇に伴い、投資家もその利点にあずかることが可能になったため、レートが急上昇傾向を維持すれば、より多くの投資家の関心を引きつけ、これまでユーロや英ポンドに投資されていた資金やユーロ・英ポンド建ての資産が中国国内により多く流入するようになる可能性がある。外国為替管理部門はこうした点にも重大な関心を寄せている。
人民元の対ユーロ・英ポンドレート上昇は、外為市場への投資家により大きな投資の空間をもたらしている。実際、非米ドル通貨の対人民元レート変動幅は、米ドルの対人民元レート変動幅を大きく上回る。中央銀行は人民元の対米ドルレートや対非米ドルレートの変動幅に関する規定を相次いで打ち出し、2005年9月23日には、銀行間直物為替取引市場における非米ドル通貨の人民元に対する取引価格の変動幅を、従来の上下1.5%以内から上下3%以内へと改めた。07年5月21には、毎日の銀行間直物為替取引市場における人民元の米ドルに対する取引価格の変動幅が、中国外匯取引センターが発表する同日の人民元の対米ドルレート基準値の上下5‰以内と規定された。
非米ドル通貨の対人民元レート変動幅は比較的大きいため、人民元の対ユーロ・英ポンドレート上昇を見込む投資家は、外為市場で為替差益を獲得するチャンスをより多くつかむことになる。
「人民網日本語版」2008年9月23日
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