(1)三元食品が急浮上
北京三元食品株式有限公司(上海証券取引所の銘柄コード「600429」)は26日に出した公告の中で、25日午後4時30分、関連部門から合併買収(M&A)に向けた協議を行うべきとの指示を受けたことを明らかにした。同公司の申請に基づき、同公司の株式は26日から取引停止になり、合併買収の話し合いがまとまって公告を発表し次第、取引は再開されることになる。「中国証券報」が伝えた。
ある市場関係者によると、現在、中国の乳製品業界は「暴風雨」に見舞われ大変な危機的状況にある。三元食品は関連部門の指導の下で、汚染粉ミルク問題で倒産の危機に直面する三鹿集団を買収するという思い切った手段を取ることを検討している。同じく汚染粉ミルク問題で揺れる伊利集団と蒙牛集団の株価が二級市場(売買市場)で下がり続ける一方、三元食品は製品から有害成分メラミンが検出されていないことから、18日以降の株価が大きく値上がりした。ストップ高は6回に及び、6営業日で株価は3.4元から64.4%値上がりして5.59元に達した。
三元食品の乳製品も売れ行きが伸びている。同公司の馬国武販売総監が明らかにした最新のデータによると、ここ数日間、牛乳の売上高は普段の3倍以上に達している。本来は1日1回の配達だが、品切れのため、今はその間で補充する必要があるという。
三元食品の主な販売地域は北京地区で、売上高の70%を占める。残り30%は山東、山西、河北、河南の各省からなる大華北地区、東北地区、華南地区などで販売されている。馬販売総監は「最近、全国各地の取次業者から提携の申し込みが多数あるが、当社としては取次業者の資格などを逐一検討したいと考えている」と話す。三元食品は規模としては伊利や蒙牛に及ばないが、今回の汚染ミルク問題で「シロ」だったことから市場の期待を集めている。
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