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▽投資家へのハードル引き上げ
証券信用取引では、投資家は現金や証券などの自己資産を一定の割合であらかじめ証券会社に納めて保証金とし、資金調達を受けて購入した証券や信用取引で売却して得た資金を証券会社に納め、担保としなければならない。証券信用取引が一般の証券取引と異なるのは、投資家はその都度、満額で資金や証券を償還できず、証券会社は強制的に取引を中止する権利をもつ。
証監会関連部門の責任者の説明によると、証券会社の証券信用取引業務は「先行例を参考にして徐々に範囲を拡大する」ことを原則として行い、証券会社の純資産規模、ルール遵守状況、純資産のリスクコントロール指標、業務の試行プランの準備状況などに基づき、条件を満たした優良な会社を選んで第一期テスト実施企業として承認する。この後、テストの実施状況に基づき、徐々に範囲を拡大する。テスト実施期間には、証券会社が自己資金と保有する証券を利用して証券信用取引業務を行うことだけを認可する。
テスト実施期間に実施企業は各社の状況に基づいて、証券信用取引を行う顧客の資格や資産のハードルを適宜引き上げ、本社での証券取引実施期限を延長する。また保証金の割合や担保の割合などの審査に関するハードルを適宜引き上げ、業務上のリスクを防止し、業界の秩序をもった競争局面を保護する。テスト実施企業は既存の顧客に証券信用取引業務を提供するよう努め、顧客は企業からの口座開設期間の要請に基づき、期間を18カ月または2年間、あるいはより長く延長することが可能だ。同責任者によると、投資家は証券信用取引を行えば、大きな利益を得ることもあるが大きな損失を受けることもあるということを十分に認識していなければならない。一定の証券投資の経験と相応のリスク負担能力を備え、関連の業務ルールを十分に理解した上で、同業務に参入するかどうかを慎重に検討しなくてはならない。
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