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「ハイブリッド米の父」ーー袁隆平 |
発信時間: 2008-10-28 | チャイナネット |
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中国の農民はよく「2つの平のおかげで、ごはんが食べられる」という。2つの平とは、農業生産の責任制度を導入した鄧小平氏とハイブリッド米の研究を進めた袁隆平氏を指す。ハイブリッド米は欧米諸国では「オリエンタルミラクルライス」などと呼ばれている。袁氏の研究成果は中国の食糧問題を大幅に解決しただけでなく、来世紀の世界的な食糧不足問題を解決する切り札とみなされる。世界にはハイブリッド米を中国の四大発明に次ぐ5番目の大発明とする声もあり、「第二次緑の革命」などと賞賛する声もある。 袁氏は1930年9月7日に生まれた。中国工程院(工学科学アカデミー)の院士で、現在は国家雑交水稲(ハイブリッド米)作業技術センターと湖南雑交水稲研究センターの主任を兼任し、湖南省政治協商会議の副主席も務める。中国におけるハイブリッド米研究の創始者であり、異種交配による品種改良でハイブリッド米を育成した世界的な第一人者だ。 袁氏は中国の第一期大学卒業生だ。53年に西南農学院を卒業すると、湖南省の雪峰山麓にある安江農業学校で教鞭を執った。60年に大規模な人災や天災が相次いで起こり、飢饉により数千万人の命が失われた。袁氏は祖国を覆い尽くした大規模な災害の様子を脳裏に焼き付けるとともに、悲惨な現実を前に強い不安に襲われた。そこで収穫量の多い米の品種の研究に取りかかり、64年にハイブリッド米の研究に着手。9年間の研究を経て73年に3種類の交雑パターンを開発し、うち生産過程で大規模な応用が可能な優良品種「南優2号」を選び、栽培を行った。こうした業績が評価されて、81年に中国初の国家特等発明賞を受賞し、世界で「ハイブリッド米の父」と呼ばれる ようになった。 袁氏はこれまでに国連世界知的所有権機関(WIPO)の傑出した発明家に贈る金賞を受賞したほか、国連教育科学文化機関(UNESCO)の科学賞、英国や米国の基金会の賞、国連食糧農業機関(FAO)が食糧の安全保障に貢献した人に贈る賞、日本の日経アジア賞、作物の異種交配による品種改良の世界的かつ先駆的な科学者に贈られる賞、コシヒカリ国際賞などを受賞している。 「人民網日本語版」2008年10月28日 |
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