このほど開催された「2008中国(合肥)北斗衛星ナビゲーション技術産業発展フォーラム」で、測位衛星「北斗」の民用市場開発と産業化を進める専門家委員会の曹沖・主任は、「北斗衛星測位システムの発展に伴い、中国の衛星応用産業の生産額は2015年には3000億元に達する見込みだ。その市場は大きな潜在力を持っている」と指摘した。
北斗システムは、中国が独自に研究開発した衛星ナビゲーション測位システムで、ナビゲーション・測位・時刻情報提供などの機能を持つ。米国のGPSやロシアのGLONASS、欧州連合(EU)のGALILEOと共に、世界の四大ナビゲーションシステムのひとつとなっている。
曹主任によると、衛星ナビゲーション応用産業にかかわる中国メーカーは2000社近くあり、この産業を専門とするメーカーは約800社ある。だがこれらのメーカーの多くは中小企業だ。「衛星ナビゲーション応用産業への中国の投資規模は現在、80~100億元に達している。だがその大部分が中小企業による個別投資だ」と曹主任は語る。
「科学技術と産業の結びつきが弱いことは、中国のハイテクの成果が産業化につながらない事態を呼んでいる」。曹主任によると、北斗衛星ナビゲーション測位システムの発展に伴い、中国の衛星応用産業の生産額は2015年には3000億元に達する見込みだ。「政府はこの分野への投資を増やし、産業全体の発展を促進し先導していくべきだ」と曹主任は主張する。
「人民網日本語版」2008年10月30日 |