「清華大学・野村総研中国研究センター(TNC)設立1周年記念大会」が4日に開かれ、著名な社会学者で、清華大学人文社会科学学院の李強・院長が「中国の都市発展における社会問題」をテーマに講演した。世界的な経済危機を背景に中央政府が4兆元の景気刺激策を打ち出したことで、各地方政府と関連企業はこぞってこの「ケーキ(投資)」を分けてもらおうと「虎視眈々」とねらっている。李院長は特に科学的発展観から外れた方案を慌しく着手すべきではないと指摘した。「中国青年報」が伝えた。
ーー中央政府が今回4兆元という巨額を「市場救済」にあてることで、新たな都市化の波が広がると講演の中で指摘したが、具体的にはどういうことか?
これにはまず中国の都市化の発展パターンを説明しなければならない。まだ皆さんの印象に残っていると思うが、以前政府文書の中には「大中都市の規模を厳しく制限する」という文句が度々出て来た。その後この文句はなくなったが、ここ数年の国内都市の拡張と発展のスピードには驚かされる。1993年には人口50万人以上の大都市は68だったのに、2002年末には450にまで増え、うち人口100万人以上の都市は171にもなった。都市総数も1979年の216から2005年には663に増加。その発展速度は世界一といっても過言ではない。
都市の人口密度も年々高まっている。1990年に1平方キロメートル当たり平均279人だった都市人口は、1995年には322人、2000年には422人、2001年には588人と徐々に増え、2002年には754人、2005年にはついに1千人の大台を突破した。
ほかにも都市化の拡大を説明できるデータが2つある。都市戸籍人口が総人口に占める割合は▽1980年の改革開放から1999年までの20年近くで14.9%▽1999年から2008年までの9年間で11.2%??増加した。この数字には農村戸籍だが長期的に都市で生活する人は含まれない。このことからも中国の都市化の進展はその勢いを増していることがわかる。今回国務院が景気刺激策を打ち出してから、各地方政府が次々と各自の計画を公開した。すでに公開された24省の投資計画をざっと見積もっても、その投資事業が必要とする総額は18兆元近くにのぼる。こういった理由からわたしは中国に新たな都市化の波が広がるのではないかと見ている。
「人民網日本語版」2008年12月11日 |