過去数週間、米・欧双方の論争は絶えず、ひいては非難合戦まで発展している。G20サミットで双方はまた論争を展開し、他の参加国の支持を求めるだろう。会議で世界金融市場に積極的なシグナルを発信できるか、この肝心な時期に民衆の自信を高められるかが欧米双方、特に米国が担う重大な責任となる。何と言っても今回の金融危機の発端は米国であり、問題が発生したところから実行すべきである。
指導者たちが直面する問題のもう一つは、国際金融秩序の問題である。現在の国際金融システムの担体は国際通貨基金(IMF)と世界銀行で、第二次世界大戦後に成立した。しかし以前からグローバル化時代の経済情勢に順応せず、徐々に複雑となる情勢においてはさらに対応不可能となっている。例えば、1997年から1998年に起きたアジア金融危機で、IMFは発展途上国の重大な欠点がすぐに明るみになるという点を差別視し、威信はひどく打ち砕かれた。今回の金融危機発生後、IMFの欠点はより明らかで、加盟国に実行可能で信頼できる対策を提供できないだけでなく、危機の衝撃に対抗できる十分な資源もない。
国際金融システムについての上述の問題は、主に少数の国が発言権と決定権を握っているために起きたものである。また、他のいくつかの国が持つ決定権が自身の実力、能力、貢献力を超え、権力と責任が比例していないことも原因の一つである。
また、世界経済の中におけるいくつかの重要な役目、例えば中国やインド、ロシア、ブラジルなどの発展途上経済体は、重要度に欠けると位置づけられている。これは不合理かつ不公平であり、世界金融と経済秩序の正常運行により不利となる。
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