金融危機の局面にあっても、世界トップレベルの洋酒メーカーの中国戦線は一向に収縮する気配を見せず、かえって中国進出の歩みが加速している。2009年にはヘネシー、レミーマルタン、マーテルに続き、ブランデーコニャック「クルボアジェナポレオン」が中国市場に進出する。クルボアジェ社は中国を世界の高級洋酒業界の主戦場とみているという。「上海証券報」が伝えた。

クルボアジェナポレオンは19世紀初頭に誕生し、200年以上の歴史を誇る世界トップレベルのコニャックの一つだ。フランスの歴史的人物・ナポレオンが愛飲し、セントヘレナ島に流された時にも肌身離さず携行したことで知られている。

ヘネシーやレミーマルタンに比べて、クルボアジェナポレオンの中国市場進出は遅れたが、同社トップらは今こそ中国市場進出の好機だと確信している。理由として次の点が挙げられる。

第一に、ここ数年来、アジア地域がコニャックの新たな消費地になっている。英国のワイン・スピリッツ調査機関IWSRの予測によると、2012年まで世界のコニャック市場は約9.53％の成長率を維持する。販売量は伝統的な消費地である欧州では11.4％、北米では3.3％、それぞれ減少するが、新興の消費地であるアジアでは約6％増加する。フランスのコニャックメーカー各社は、巨大な容量を擁するアジア市場への関心を高めている。

第二に、中国は世界最大のコニャック消費国の一つだ。世界では毎年約1千万ケースのコニャックが消費され、米国と中国が二大消費市場となっている。米国での販売量は350万ケースから400万ケース、中国での販売量は約150万ケースに上る。

クルボアジェナポレオンの銘柄を所有するビームグローバル社大中華エリアの胡肇華商務総監は「中国は世界で最も大きな成長への潜在力と成長の可能性を秘めた高級洋酒の消費市場だ。金融危機が世界経済に短期的な圧力を与えることは避けられないが、中国経済の土台はしっかりしている。ますます多くの中国人消費者が、世界トップレベルのコニャックに注目し、味わうようになると信じる」と話す。

コニャックを含む中国洋酒市場にはいくつかの重大な特徴がある。（１）中産階級、サラリーマン階級の占める割合が高まっている（２）消費する場所がホテル一辺倒から多様化し、バーや自宅など様々な場所が併存するようになった（３）消費地が沿海の経済が発展した都市や一線都市から消費水準が高まっている内陸都市へと広がってきたーーの3点だ。

「人民網日本語版」2009年4月8日