世界経済の一体化と地域化が加速する中、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国との農業分野での協力はここ数年でますます高まり、中国とASEANとの協力にとっての重要な構成要素となりつつある。中国とASEAN事務局は「農業協力了解覚書」に02年に調印し、その後はこれを延期して、双方の農業協力の発展を推進してきた。中国農業部は、ASEAN各国の農業発展の現状と特徴に基づき、一連の農業技術訓練会やシンポジウムを開き、農業技術の交流を展開した。また、環境の整った国を選んでモデルプロジェクトの試行を展開し、中国とASEAN各国とがすでに持っている双方農業協力を強めた上で、両者間の多角的農業協力をよりいっそう広げた。
双方の農業協力の展開にあたっては、人材訓練が協力の重点、農業技術の交流が主要な形式、海外でのモデルプロジェクトが中心的な媒体、農産品貿易の発展と経済協力の促進が協力と位置付けられている。すでに2回にわたって行われたASEANプラス中日韓の果物企業家による会議では、双方間協力を地域協力にまで拡大し、発展の大きな潜在力を示した。
中国とASEANの農業協力プロジェクトは、ASEAN各国の農業発展の方向と合致し、プロジェクト協力国の政府や関連部門からも大きな支援がなされている。例えばフィリピンでは、収穫が通常のイネよりも多いハイブリッド・イネのモデルプロジェクトが中国フィリピン農業技術センターによって実施されており、フィリピンの水稲栽培を大きく促進している。このプロジェクトは、フィリピンの農業発展の方向と合致しているため、開始当初から各界による支援が得られた。中国フィリピン農業技術センターは、中国のハイブリッド・イネと農業器具を普及するという役割を十分に発揮し、今後の協力に向けても土台を築いた。またベトナム政府は、中国とベトナムが共同で行う飼料設備モデルプロジェクトに400万元を助成した。プロジェクトの進行はこれで加速し、もともとの土台の上に、さらなる充実化と発展が可能となった。
「人民網日本語版」2009年4月11日 |