北京五輪は世界中の人々にスポーツと視覚効果が融合した祭典を提供しただけでなく、多くの中国企業にスポーツ事業を通してブランドを確立し、国際市場に進出する貴重な機会を提供した。ポスト北京五輪の時代に、中国企業のスポーツ事業熱は一向に冷める気配がない。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
日本の神奈川県横浜市でこのほど開催された世界卓球選手権では、中国チームが5つの種目ですべて金メダルを獲得した。このイベントが国内で高い注目を集めたことを受けて、中国卓球協会、中央電視台系列の中視体育公司推広有限公司、有名スポーツ用品メーカーの三六一度(中国)有限公司が7日、協力合意に調印した。合意に基づき、中視体育公司と中国卓球協会は今後3年間、市場開発での協力を深いレベルで進める。三六一度公司は中国卓球クラブスーパーリーグと初めて提携関係を結び、リーグのトップスポンサーを務めるほか、唯一の関連用品の指定サプライヤーにもなる。
これらの動きは、最近の国内企業のスポーツ事業に対する積極的な取り組みの一例だ。全体的にみて、スポーツ事業は国内企業が非常に重視する市場戦略になりつつある。最新のデータによれば、国際金融危機の影響を受けて、国際的イベントの招致が冷え込む中、2010年に広東省広州市で行われる第16回アジア競技大会は、市場開発で特筆すべき成果を上げている。現時点で、同大会組織委員会はスポンサー企業28社と契約を結び、スポンサー関連プランが完了していない段階で、スポンサーから過去の大会を上回る資金を集めた。スポンサー企業数も過去最多となっている。
ある業界関係者によると、有名多国籍企業のスポーツ事業などにおけるブランド事業の理念が、中国企業にも徐々に浸透しつつある。北京五輪を通して国内企業がスポーツ事業の魅力を肌身に感じたことが、ポスト北京五輪時代にスポーツ事業熱が日に日に高まる根本的な原因となった。だが中国はスポーツ事業に着手したばかりで、西側の多国籍企業に比べてこの分野では新入りだ。2009年から2010年にかけて、多くのトップレベルのスポーツイベントが中国ブランドの参入を待っている。ここでチャンスをつかまえられるかどうか、中国企業のスポーツ事業には数多くの試練が横たわる。
「人民網日本語版」2009年5月11日