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危機後の中国はどうなる? 専門家4人の見方
発信時間: 2009-05-14 | チャイナネット

「2009年第3回グローバル・中国経済フォーラム」が13日、上海で開催された。国内外から集まった多くの専門家が、「世界金融危機と中国経済」と「国際金融システムの改革」という2つのテーマについての見方を発表した。「国際金融報」が伝えた。

▽陸挺氏「最も悪い時期はすでに過ぎた」

メリルリンチ証券アジア太平洋地域のエコノミストを務める陸挺氏は、「中国経済の最も悪い時期はすでに過ぎ、成長率8%確保に大きな問題はない」との見方を示した。「私たちが予想値を引き上げたのは、輸出に対する中国の依存を市場が高く見積もりすぎていると考えたためだ。危機が訪れると、市場は常に悲観的となる」。陸氏によると、中国経済の減速は、しばらく前に取られていた自らの引き締め政策を主要原因としている。そのため、この問題を解決することは比較的容易だという。

▽余永定氏「人民元建て債券の発行を促進」

中国社会科学院世界経済政治研究所の余永定・所長は、人民元国際化の加速に向けて次の4つの提案を行った。第一に、中央銀行による通貨スワップに引き続き参加する。第二に、人民元を海外での決算通貨にすることを促す。第三に、地域金融機構に対する貢献を強め、人民元建ての債券発行を進める。第四に、外国人による人民元建て債券の発行を奨励する。ドル値下がりのリスクを回避したい外国人に、人民元建て債券の保有を促す。

▽哈継銘氏「子どもの世代に負担を残すな」

中金公司のチーフエコノミストを務める哈継銘氏によると、中国経済の成長速度を過去10年のレベルに保とうとするのは非常に難しく、インフレと低成長の状況を招きかねない。世界の高齢化で労働力が減少している時、各国がさらに負債を増やせば、子どもの世代に負担を強いることになる。哈氏は、「中国も債券を発行する必要があるが、海外向けに発行するなど新たなやり方を模索する必要がある」と呼びかけた。

▽ローチ氏「世界経済はW字型で回復」

モルガン・スタンレーアジア区のスティーブン・ローチ会長は、「私たちが現在直面しているのは一般的な経済周期ではない。相互の影響の強さや世界貿易の低迷は、過去とは比べものにならない。世界各地では今後、さらなるバブル崩壊が起こるだろう」と語った。ローチ会長はさらに、「中国の輸出を支える力を外部需要が短期的に回復することはない。世界経済は今後、W字型の復調を見せていくことになる」との見方を示した。

「人民網日本語版」2009年5月14日

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