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金融危機、中部地域には「追い越し」のチャンス |
発信時間: 2009-05-22 | チャイナネット |
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金融危機がもたらした経済再編の動きを受けて、これまで経済発展が遅れていた中国の中部地域の各省には歴史的な「追い越し」のチャンスが到来した。今年5月には、江西省の電力使用量の増加率が全国トップとなった。また中部6省のうち5省で国内総生産(GDP)成長率が大陸部の平均を上回った。危機の訪れがチャンスの到来に変わりつつある。中国新聞網が伝えた。 電力部門がまとめた最新のデータによると、5月1日から14日にかけて、江西省の電力使用量が18億3200万キロワット時に達して前年同期比12.73%増加し、増加率は大陸部トップとなった。今年1ー4月には大陸部全体の電力使用量は4%減少したが、同省では同3.37%増加して力強い伸びを示した。 同省統計局がさきに発表したデータによると、同省の第1四半期(1潤オ3月)のGDPは1281億元に上って前年同期比10.2%増加し、増加率は全国平均を4.1ポイント上回った。 内陸中部地域の省である江西省は、改革開放の30年間に沿海省ほどの経済発展を遂げられなかっただけでなく、長期にわたり大陸部の平均レベルを大きく下回ってきた。学者や現地の政府関係者は、今回のような画期的なデータに極めて大きな関心と信頼感を寄せている。 江西財経大学の廖進球教授によると、経済発展のバロメーターとされる電力使用量の増加率が高水準を維持していることは、江西省の経済発展が安定的・急速に進み、好転していることをうかがわせる。金融危機の訪れにより、国内・海外の産業に移転の動きがあり、製品などの注文先となる新たな協力パートナーが必要になった。また政府が空前の規模の投資を行ったことなどにより、江西省は巨大な投資機会に恵まれて、大きく発展することが可能になった。 同省共産党委員会の陳東有氏によると、今、同省は「カードを切って配り直す」チャンスの時期を迎えており、「直線的に進んで追い越す」よりも「迂回して追い越す」方が容易なことだといえる。 実際に経済調整期には中部各省はこの「迂回して追い越す」という動きをみせている。ある統計によると、第1四半期に山西省を除く中部5省のGDP成長率が大陸部の平均を上回り、特に湖南、安徽、江西、湖北4省の成長率は2けたに達した。一方で長期にわたり急成長を続けてきた上海市、浙江省、広東省などは、成長率がいずれも大陸部平均を下回った。 長期にわたり中部地域の経済発展モデルに注目してきた江西省社会科学院経済研究所の麻智輝所長は「大型プロジェクトの投入や固定資産投資が中部の省のGDPを押し上げた主な要因だ」と分析する。 ある統計によると、今年第1四半期に中部地域の固定資産投資は前年同期比34.3%増加した。全国の固定資産投資の増加率は28.6%だった。江西省の固定資産投資は729億4千万元に上り、同44.8%増加して大陸部の平均を16ポイント上回った。 経済発展が進んだ省との経済的格差の縮小に努めている中部各省にとって、金融危機は得難い発展のチャンスとなりつつある。 「人民網日本語版」2009年5月22日 |
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