英『フィナンシャル・タイムズ』の報道では、中国の経済データ発表がアジア・太平洋地区の株式市場に効果をもたらしていると指摘された。中国経済に対する楽観的見通しにより、16日のアジア株式市場は上昇し、大型銘柄の上げ幅が上位を占めた。
「中国の成長は主に国内需要のけん引によるものである。特に、投資ニーズは異常な伸びを見せている。これは、財政緩和策の効果が消え始めてから、経済成長の大幅な減速が現れる可能性は低いことを示している」と、デンマーク・ダンスク銀行(Danske Bank)のフレミング・ニールセン・アナリストは話す。
米『ウォールストリート・ジャーナル』の評論で、中国政府により、景気好転速度は多くの人が考えるレベルを大きく上回っていると指摘された。経済成長率が今後2四半期で減速したとしても、多くのアナリストは、中国が2009年経済成長率8%の目標を実現できるとの見方を堅持している。
文章中に、「政府が統制する銀行システムを通じ、中国経済は上昇に転じた」とある。今年に入り中国銀行業の新規貸付額は前年同期の2倍に達し、中国のマネーサプライの伸びは米国の約3倍となっている。巨額貸付により中国経済は自信を取り戻し、貸付を受けた経済活動は短期間で住宅建築業者、自動車メーカー、銅などの大口商品の供給業者に好材料をもたらした。
しかし、中国政府の戦略にもリスクはある。大量の低コスト資金が株式市場や不動産市場に流入し、新たなバブル崩壊を引き起こす恐れがある。大量の不良事業や失敗事業が現れた場合、経済成長と公共財政には圧力が生じる。政府はバブルのリスクを軽減するため、景気刺激策の微調整に乗り出している。
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