中国社会科学院世界経済政治研究所国際金融研究センターは10日、香港が今年第2四半期から現在までに、大陸部よりも激しいホットマネーの流入を 経験しているとする報告を発表した。香港は、短期的な国際資本が中国大陸部に入るためのステップでもあり、管理部門は警戒が必要だ。「京華時報」が伝えた。
香港の最新データによると、香港に流れ込んだホットマネーは7月だけで1000億香港ドル近くに達する。同研究センターの張明・博士によると、ホットマネーが香港に流れ込んでいる主な目的は、香港の為替レート制度をねらい、香港ドルの対ドルレートを上げることだ。だがもう一歩立ち入って考えると、大量のホットマネーが香港に入り込んでいる理由はそれだけではなさそうだ。
張博士によると、香港は、短期的な国際資本が大陸部に入り込むためのステップとなる。第一に、香港の資本項目取引は自由であり、ホットマネーの香港流入にコストがかからない。第二に、香港の株式市場は大陸部の株式市場と密接な関係があるため、大陸部経済の成長がもたらす利益を香港株式市場への投資によって得ることができる。第三に、ホットマネーが各種のルートを通じて大陸部に入ってくるとすれば、香港は最初に選ばれるルートとなる。
報告はこれについて、「大陸部の株式市場や不動産市場がさらに上がり、また欧米からの圧力によって人民元切り上げの見込みが高まるならば、今年下半期にもホットマネーが香港を通じて大陸部に流れ込んでくる可能性がある」とした上で、「中国大陸部の外貨管理部門はホットマネーの香港流入を十分に警戒する必要がある」と呼びかけている。
「人民網日本語版」2009年8月11日