国家発展改革委員会の張暁強副主任は、「4月以降、世界金融市場は昨年末より明らかに安定しており、一部の国の実体経済には回復の兆しが現れている」と述べた。しかし金融危機から抜け出し、世界経済が再び正常な成長軌道への復帰には、まだ半年から1年がかかり、さらに長い期間かかる可能性もあるという。
張暁強副主任は、世界経済が安定した回復を見せるにはまだ多くの不確定要素があると見ている。米国など主要先進国にある金融の潜在的リスクはまだ完全に解消されておらず、一部の新興国は大きな金融リスクに直面している。また、先進国の実体経済もまだ底を打っておらず、拡張的な政策の余地は限られている。
経済回復に多くの不確定要素が存在するほかに、会議参加者からは危機の2度目の影響に対する警告がなされた。世界銀行の総裁代表、世界銀行東アジア・大洋州地域戦略・業務担当局長のサラ・クリフ氏は、「世界銀行は、東アジアの成長率は2007年は10.4%、昨年は8%、今年は5%となると予想し、この地域の成長は減速するが、その他の地域と比較するとかなり速い」と述べている。
サラ・クリフ氏は次のように話す。中国には経済回復の兆しが現れているが、現在はまだ早い段階である。世界収益が第二次世界大戦後で最大の減少となり、多くの地域の経済収益は今年さらに減少する。東アジアは警戒を強める必要があり、世界銀行は経済危機の2度目の影響は年内に現れる可能性があると懸念している。
上述の懸念と同様に、国際通貨基金(IMF)の加藤隆俊副専務理事も「積極的なデータはあるものの、今回の危機は戦後最も深刻で、長い世界的衰退となる。IMFは、今年の世界経済は戦後初の縮小となると見込んでいる。2010年までに経済は回復し始めるが、非常に弱いものだろう」と述べた。
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