広東省は中国国内はもとより、世界的にも重要なクリスマス製品の生産・輸出拠点で、年間の輸出額は中国全体のクリスマス製品輸出額の6割近くを占めている。ところが今年のこれまでの輸出額は前年同期比46%も低下し、価格にして2億8千万ドルの減少になったという。中新社が伝えた。
黄埔税関が24日発表した統計データによると、米国と欧州連合(EU)は広東省のクリスマス製品の主要輸出市場。今年のこれまでの対米輸出額は1億3千万ドルで同20%減少し、対EU輸出額は約6500万ドルで同5%減少した。
クリスマス製品の輸出は、クリスマス前に製品が市場に出回ることを考え、7月からピーク期に入るのが一般的だ。だが今年7月単月の広東省の輸出額は1億2千万ドルにとどまり、前年同月比10%減少した。
ある業界関係者の分析によると、広東省のクリスマス製品輸出が大幅に減少した主な原因として次の3点が挙げられる。
(1)金融危機の影響を受けて、欧米などの主要消費大国のニーズが大幅に減少した。同時に、東西文化の融合がますます進み、中国大陸部市場の消費力が向上し、西洋の祭典を祝うことが一種の流行となって、クリスマス製品が大きな市場潜在力をもつようになったことから、中小企業の多くが国内販売を優先させ、輸出を放棄するようになった。また原油やプラスチックなどの原材料価格の高騰、人民元の継続的値上がりといった要因の影響により、輸出企業のコスト圧力が目にみえて増大し、企業利益が急速に落ち込み、生産の転換、移転、転出などの現象が現れ始めた。
(2)製品の技術含有量の低さや独自開発の乏しさが、クリスマス製品輸出のネックとなっている。広東省が輸出する製品はプラスチック製品が中心で、粗雑な手工芸品が多く、技術含有量が大変低く、簡単に模倣できる製品ばかりで、デザインは新味に乏しく、色や種類が画一的で、独自のブランドというものをもっていない。
(3)技術障壁や環境保護といった要因が深刻なマイナス影響を与えている。ここ数年、中国産玩具のリコール案件がたびたび発生したり、中国の輸出製品の品質の安全性について海外メディアが盛んに報道したりしたことを受けて、輸出製品に対する検査や制限が一層厳格になり、企業に対する処罰も厳格化され、企業はより大きな技術的圧力にさらされるようになった。
「人民網日本語版」2009年8月25日