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北京の住宅価格、サラリーマン家庭の年収27年分
発信時間: 2009-09-02 | チャイナネット

 北京市統計局の于秀琴・副局長はこのほど記者会見で、「北京市のエンゲル係数は33%前後に下がり、一人当たりGDPは9000ドルに達した。この2つの指標は、中等国・地域の富裕レベルに北京市が達したことを示している」と語った。「中国工商時報」が伝えた。

 国際的にも広く認められているエンゲル係数は、消費のクオリティーやレベルの変化をはかる重要な指標となっている。エンゲル係数の低下は普通、住民生活のクオリティーの向上を表す。だが北京市民には、自らの生活レベルが向上したという感覚はないようだ。不動産価格と収入との差がますます広がりつつある中、サラリーマン層は思い通りの消費がなかなかできないのが現状だ。

 北京統計局が発表した分譲住宅の先行販売価格と住民の収入のデータによると、05年から09年までに住民の収入は53%上がった一方、住宅価格は126%上がった。上げ幅は2.3倍に達する。アナリストによると、最近のデータでエンゲル係数が下降したのは、食肉・卵の価格が上半期よりも下げられたため。この価格はすでに上がっており、エンゲル係数は連続3年の上昇となる可能性もある。

 ここ数年、住宅・教育・医療にかかる費用の割合は大きく高まっている。北京統計局のデータによると、五環路内の不動産先行販売価格は7月、1平方メートル1万7千元前後となった。北京不動産取引管理網のデータによると、住宅の平均面積は113平方メートル。住宅1物件の価格は単純計算で192万1千元となる。これに対し、五環路内にある市街地8区の住民の収入は今年上半期、平均で2万8289元だった。

 中大恒基の市場アナリストはこんな計算をしてみせた。一家庭で二人が働いていると仮定し、個人所得税や保険などの支出を考えなければ、一家庭の収入は11万3千元となる。頭金42万元と住宅ローン150万元で住宅を買うと、利息は30年で112万元となり、総額は304万元に達する。収入上昇などの状況を考えなければ、エンゲル係数がゼロだとしても、サラリーマン家庭が稼ぎ出すのに27年かかる金額だ。

 「人民網日本語版」2009年9月2日

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