現在、住宅を購入するには数世代の心血を注がなければならないとよくいわれる。それでは全国の住宅の資産価値を合わせると一体いくらくらいになるのだろうか。ある統計データによると、現在、国内の住宅の資産価値は総額90兆元を超え、国内総生産(GDP)の約2倍に相当するという。また都市部住民の場合、まったく飲まず食わずで約22年分の所得をすべてつぎ込まなければ、住宅購入は無理だという。「中国証券報」が伝えた。
国家統計局がまとめたデータによると、2006年の都市部の一人あたり平均居住面積は27.1平方メートルだった。同年の都市部人口は約5億7700万人だったので、同年の都市部の居住面積は累計約156億3700万平方メートルということになる。金融データなどを手がけるWind資訊がまとめたデータによると、07年に販売された都市部の住宅の居住面積は累計7億6200万平方メートル、08年は累計6億2100万平方メートル、今年は現時点で累計4億9400万平方メートルに上る。3年分を合わせると、都市部の住宅の居住面積は約175億1400万平方メートルに達する。
現在の不動産価格水準はどうだろうか。年初以来の住宅の売上高は2兆3500億元に上り、これを累計販売面積の4億9400万平方メートルで割ると、1平方メートルあたりの平均販売価格は約4754元ということになる。08年の住宅の累計販売面積は6億2100万平方メートル、売上高は2億4千万元で、1平方メートルあたり平均販売価格は3870元だ。年初と年末の平均値に基づいて算定すると、全国の住宅の1平方メートルあたり平均価格は4312元となる。これらの数字を踏まえると、都市部住宅の居住面積は累計約175億1400万平方メートルとなり、都市部住宅の資産価値は総額約75兆5千億元ということになる。
農村部に目を転じてみる。農村は不動産の流動性が低く、算定が難しい。また地域による貧富の格差が大きく、不動産の価値にも大きな開きがある。そこで中部地域の都市・農村を取り上げ、詳細な調査を行うと、農村部の住宅の建築費用は1平方メートルあたり700元から800元だった。07年の全国統計年鑑をみると、06年の農村部の一人あたり平均居住面積は30.65平方メートル。当時の農村部人口は約7億3700万人だったので、農村部の居住面積は約226億平方メートルということになる。過去のデータや慣例からみて、農村部の住宅は面積をほとんど変えずに建て替えるケースが多く、このため約3年間に農村部住宅の居住面積が1%増加したとすると、現在の居住面積は約228億平方メートルになる。1平方メートルあたりの建築コストを700元として計算す
ると、現在の農村部の住宅の資産価値は総額15兆9800億元となる。これに都市部の7兆5千億元を加えると、全国の住宅の資産価値は総額91兆4800億元になる。現在、GDPは累計31兆4千億元で、住宅の資産価値はGDPの約2倍以上に上ることになる。
「人民網日本語版」2009年9月15日