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今後10年の中国経済に関する10の予想(10)
発信時間: 2009-10-21 | チャイナネット

新中国成立からまもなく60周年を迎える。歴史の新たなスタート地点に立ち、今後の中国経済の動向を予想するため、新華社の経済アナリストは調査と研究を進め、人民元の国際化、新エネルギーの中国自動車業への影響、今後の中国のエネルギー消費構造、中国銀行業の発展動向、中国紡績業の見通し、文化・クリエイティブ産業の繁栄、インターネット生活の新段階、食糧需給のバランス、資本市場の深化、都市化発展レベルについて予測を出した。ここから、経済の国際化、産業高度化、市場深化が、中国経済の今後の発展の全プロセスを貫くことがわかるだろう。

動向その10:都市化率が約6割に 戸籍制度の規制は徐々に緩和され、農村人口は主に中小都市に移動

今後10年、中国都市部の人口は8億人に達し、都市化率は60%弱となるが、先進国の都市化率80%とはまだ大きな開きがある。

特に中小都市で戸籍制度の規制が徐々に緩和され、農村人口は主に中小都市に移動する。

一人っ子政策の長期的実施により、都市部の人口の伸び率は低く、過去20年と同じ速度で増加し、主に農村からの移動による増加となる。

戸籍を基に計算すると、現在の中国都市部の人口は5億人以下で、常住人口より1億人以上少ない。1億人を超えるこの都市部常住人口は「不完全移動」とされ、単身や短期的流動、都市部で就職しでいるがその消費、権利の行使や保障は農村地区で行われている。今後この「不完全移動」の人たちが制度保障を受けられなければ、中国社会の重大な不安定要素となる。

したがって、現行の戸籍制度の改革や公共サービスの改善が必要となっている。今後、中国の戸籍制度改革は急速に進み、農村部から都市部に出稼ぎに行き都市部で戸籍登録する際の障害は徐々になくなることが予想される。よって、今後10年で中国の実質都市化率は現在の約37%から42%以上に上昇するだろう。

しかし、その他の発展途上国に多く見られるように、都市部に巨大なスラムが形成される可能性があるため、現行の戸籍制度を完全になくすわけにもいかない。

戸籍制度の規制緩和は大都市では大きな障害があり、就業環境がよければ、多くの農民が家から比較的近い都市部に移住したいと考えている。今後、多くの資源が中小都市に行き渡り、就業能力の拡大、生活環境の改善、公共サービスレベルの向上が進み、これらの都市での出稼ぎ労働者に対する戸籍制度は緩和される見通し。

都市化プロセスは、中国農村部の1人当たり平均収入の増加につながる。出稼ぎ労働者の急増に伴い、非農業従事者の収入が農村部の住民収入に占める割合は現在の約40%から10年後には50%に上昇する予想。多くの労働力がすでに都市部に移動しており、その収入の伸びは都市部の収入として計上される。したがって、実際の農村部の住民収入は統計よりも早い速度で伸びることが考えられる。

「チャイナネット」 2009年10月21日

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