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中国の経済発展に関する3つの誤解を解く
発信時間: 2009-10-22 | チャイナネット

 

国務院発展研究センターの盧中原副主任は20日、河南省鄭州市で行われた「2009年世界ビジネス紙経済フォーラムに出席した際、「中国経済の発展に対して外部には3つの誤解がある。中国経済は消費不足で、発展の中で消費の伸びのペースが遅すぎるというもの。4兆元の投資がインフラ建設に偏り過ぎているというもの。経済成長が輸出に過度に依存しているというもの、だ」と述べた。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。

盧副主任は3つの誤解を解くため、次のように説明した。外部には中国経済の消費の伸びペースが遅すぎるという声があるが、年初以来、中国の都市部住民の消費の増加率は、価格変動を考慮して実際価格で計算すると、1-8月の累計で16.9%に達し、国内総生産(GDP)の増加率を9ポイント上回った。今年1-9月の自動車販売台数は966万台で世界一となり、現在は不動産市場が大幅に上昇して販売数増加率は35%を超えている。住宅と自動車という二大耐久消費財の消費が大幅に増加していることから、中国の消費の伸びが力不足ではないことがうかがえる。盧副主任はモルガン・スタンレーのあるアナリストの文章を引いて、「中国は現在、消費の伸びのペースが遅いのではなく、投資の伸びが消費の伸びを大幅に上回っている」だけだと説明した。

中国のこのたびの投資が鉄道、道路、空港といったインフラ施設の建設に偏りすぎているとの誤解について、盧副主任は次のように述べた。4兆元の投資が大量に向かった先は、インフラ施設ではなく社会保障住宅だ。社会保障住宅は本質的に投資ではなく消費だ。なぜなら低所得層は住宅を購入できないので、政府が投資を行い、住宅価格を引き下げて貸し出して初めて、こうした人々は住宅の消費者となることができ、ひいては国民の消費を直接牽引することになる。よって社会保障住宅とインフラとは区別すべきである。また鉄道、道路、空港などへの投資が占める割合は高くない。4兆元の投資のかなりの部分が、生態建設、水利工事、環境整備などにふり向けられており、これらは持続可能な発展を保障するためのもので、一般のインフラ投資とは区別すべきだ。

中国の経済成長は輸出に過度に依存しているとの誤解について、盧副主任は具体的な数字を出して次のように反論した。2005年、06年、07年の3年間、中国の経済成長ペースは10%以上の成長率を保ち、この間の輸出の国内総生産(GDP)成長率に対する貢献度は2.2-2.27%にとどまった。内需を大きく牽引したのは投資と消費だった。01年、02年、03年の輸出のGDP成長率に対する貢献度は1%にも満たず、0.1%から0.7%の間にとどまった。中国にとって輸出は重要ではあるが、たとえなくとも投資と消費という2つの内需によってその不足分は補える。とはいえ外需が不要なわけではなく、外需を積極的に拡大し、外需の安定に努力する必要がある。投資、消費、輸出がトロイカを形成して初めて、経済成長に対してバランスよく貢献できるようになるのだ。

「人民網日本語版」2009年10月22日

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