2009年12月、中国の輸出と輸入はいずれも力強い成長をみせ、ひと月当りの輸入額で過去最高、輸出額で過去4番目を記録した。このことは対外貿易の急速な回復をあらわしている。
「2010年、中国の輸出は通年で約15%の伸びに回復する」という劉氏は、輸出は総体的に良く、基数的な要素も影響して、増加幅は一気に伸び、その後弱まると予想する。中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の自由貿易協定(FTA)の発効をはじめ、国際的な需要の回復、外需政策の連続性と安定性の確保といった内外的な要因がいずれも対外貿易の適度な成長につながる。
一方、趙氏は「2010年の輸出の増加幅は10%前後」と相対的に慎重な判断を下す。「世界経済は今後成長を回復するだけ。短期間で危機前の水準に回復するはずがない」と分析、世界経済の情勢は複雑で世界的な需要も不確定だとし、中国の輸出は依然として主要な難題に直面するという。保護貿易主義や人民元の切り上げ圧力も中国の輸出をさらに複雑にするだろう。
「輸出の安定的な成長を推し進め、国際収支のバランスを促進する」---。2009年末に開かれた中央財政工作会議では2010年の対外貿易政策に向けた基調が打ち出された。世界金融危機という霧が晴れない中で、中国の輸出はいかに突破口を開くか?
商務部の鐘山副部長は「国内外の情勢に重大な変化が生じない限り、中国の対外貿易が今年成長を回復するのは間違いない」とし、中国は安定的な輸出増加と同時に、貿易構造の調整に力を入れ、輸出製品の品質を高め、量的な拡大から質的な向上へと方向転換していく考えを示した。
「人民網日本語版」2010年1月12日