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中国、「自動車強国」にはまだ10年かかる
発信時間: 2010-01-13 | チャイナネット

2009年の中国の自動車販売台数は1350万台を超え、中国は世界最大の自動車市場となった。しかしこれに対し専門家は、中国の自動車産業の技術力が欧米や日本などの「自動車生産強国」に追いつくにはまだ10年近くかかると見ている。

中国汽車工程学会の韓鐳副秘書長は『第一財経日報』の取材に対し、「数年前に比べると、中国の自動車産業の製造力と世界トップレベルとの差は縮まってきており、しかも中国は世界の生産・販売大国となった。しかしその差は歴然としており、依然として10年近くの差がある。特に一部の中核部品の技術と生産工程については国外との差はかなり大きい」との見方を示した。

韓副秘書長によれば、中国の自動車メーカーが製造技術全体の発展趨勢をしっかりと握っていないのと同時に、部品工業も基礎部分を自分のものにしていない。このため国外との差を縮めるためには、ある企業が単独で行うのではなく、産業チェーンの上下流企業がいっしょに努力していかなければならないという。「自動車の生産はさまざまな産業の発展レベルを具体的に表すものであり、鉄鋼、非鉄金属、非金属材料、そしてセンサー等の電子技術までも含む工業基礎の総合的体現である」

中国の自動車メーカーは国外の自動車メーカーの進んだ技術を買収することでその差を補おうとしている。昨年の北京汽車によるサーブの買収、吉利汽車によるボルボのM&Aなど小企業による大企業の合併・買収は、その試みの始まりである。

 

しかし、先進技術の買収は、一度苦労すれば後はずっとうまくいくといったものではない。「こういった方法で『世界の先進技術に追いつき・追い越せ』のスピードは加速されるだろうが、これは近道ではない」と韓副秘書長は話す。新しい技術や管理理念は導入することができるが、導入すればすぐに活用できるというものではなく、この基礎の上に自主ブランドを融合・発展させてこそ、自らの技術力を体現できると指摘する。

自動車産業の異例なほどの急成長は、企業に過度の慢心をもたらしている。「中国が歩むのは持続可能な発展の道であり、わが国の資源条件ではこのような消費は許されない」と東風シトロエンの魏文清副総経理は言う。2009年、中国の自動車生産計画は1500万台から2000万台に引き上げられた。2008年の業界全体の大幅な生産停止や人員削減の痛みはとっくに忘れ去られてしまったようだ。

政策の支持を受けて小型車の生産は過熱する勢いを見せている。中国国内の建設済み及び建設中の小型車の生産能力は700万台に達する。長安、五菱、東風等の自動車メーカーはいずれも小型車の生産能力を拡大しているが、2011年までの市場の容量はわずか300万台である。「小型車市場は政策によって牽引されているが、政策の変動は見通しがつきにくく、リスクが大きい」と自動車専門家の賈新光氏は話す。

「チャイナネット」 2010年1月13日

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