国際通貨基金(IMF)は2日に発表した主要20カ国・地域(G20)の財務次官・中央銀行副総裁会議のための準備報告書の中で、人民元は現在、大幅に低く見積もられているとの見方を示した。
IMFによると、実際に有効であるレートについていえば、人民元はすでに米国とともに低いレートにあり、中期的な視点でみると、人民元のレートは大幅に低く見積もられているといえる、という。これは、先月初めの経済協力開発機構(OECD)で人民元レートの柔軟性を高める必要があるとの見方が打ち出されたのに続く、国際経済機関からの人民元レートに対する明確な要求だ。
国際経済機関は人民元レートに対してしばしば圧力を加えている。中国社会科学院(社会科学アカデミー)金融研究所金融発展・金融制度室の易憲容主任は「人民元レートが大幅に低く見積もられているとの見方には理論的な根拠がなく、経験的なデータもなく、何の説得力もない。人民元レートの柔軟性を高めるというのは、人民元レートの変動幅を拡大したいということであり、これは経済にとっていかなる利点もないことだ」とばっさり切る。
興業銀行の魯政委エコノミストも同様にIMFの公信力に疑問の声を上げ、「1998年のアジア金融危機発生時、人民元のレートは非常に高く見積もられ、アジアが金融危機を抜け出すのにきわめて大きく貢献した。IMFはその時、なぜ立ち上がって人民元レートが高いと指摘し、引き下げを求めなかったのか。人民元が上昇するばかりで下降できない通貨だと考えたわけではあるまい」と話す。
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