またIMFは、ユーロの最近の値下がりは、ユーロが基本的な価値に立ち戻ったことを意味するとしている。日本円も2008年末以来の大幅な値下がりを経て、中期的にみて基本的な価値に立ち返ったという。IMFの米ドルに対する見方は、引き続きやや高く見積もられているというものだ。さらにIMFは、グローバル経済が徐々に回復するのにともない、人民元レートと米ドルとのバランスが経済復興に影響を与える障害の一つになっており、グローバル経済の復興を支援するには、人民元レートの柔軟性を高めることが必要だとの見方も示している。

人民元は不当なレッテルをはられている。IMF報告は欧州、米国、日本を「優等生」としており、中国を「劣等生」とみる傾向は明らかだ。魯エコノミストは「中国経済は高度成長を遂げているが、それでも世界の国内総生産（GDP）に占める割合は5％にも満たない。米国が約25％を占めていることに比べれば、中国が全力を尽くしても、世界経済に与える影響はレッテルをはられる程度のことにすぎない」と指摘する。

「人民網日本語版」2010年3月3日