こうした状況でありながらも、中国企業の日本進出は同国で高く注目されている。それは、日本では経済面だけでなく、社会全体においても「中国脅威論」が高まっているためである。中国の技術レベルが全面的に向上すれば、日本が目に入ることもないだろうが、日本は人口の減少において低成長期に入っているため、外資の参入を必要としているのも事実だと『朝日新聞』は指摘する。
アナリストたちは、昨年の中国企業による日本企業の買収額は2008年の約5倍となったが、中国企業による日本企業買収の目的は市場の萎縮により経営難に陥った企業の技術やノウハウを取り込むことにあると見ている。中国企業の日本企業買収の急増は、中国が『第11次5カ年計画(2006-2010年)』で、国内企業の海外企業買収時の審査基準を緩和し、対外投資を奨励していることも背景にある。
総じていえば、日本経済はなお停滞期にあり、その世界経済とアジア経済における地位は低下しつつある。これは中国と鮮明な対比を成している。1980年代終わりごろ、日本経済は急成長を遂げ、GDPは米国に追いつき追いこすことも可能だと日本は見ていた。しかしその後、日本経済は長期にわたり停滞状態に陥っている。
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