国際航空運送協会(IATA)が発表した最新の業界予測によると、世界経済の回復により、世界の航空業は今年25億ドルの黒字に転じる見通し。同協会は今年3月の時点で今年は28億ドルの赤字が出ると予測していた。国際金融報が7日伝えた。
今年、航空業の黒字が最も多い地域は経済状況が最も良いアジアで、3月の9億9千ドルという予測を大きく上回る22億ドルの黒字となる見通し。アジアの航空業は昨年27億ドルの赤字だった。昨年同じく27億ドルの赤字を出した北米は今年19億ドルの黒字が見込まれる。中南米は9億ドル、中東とアフリカは1億ドルの黒字が予測される。
今年唯一赤字が予想されるのは欧州で、赤字額は28億ドルにのぼり、3月に予想された22億ドルを上回る見通しだが、昨年の43億ドルの巨額の赤字に比べればやや好転がみられる。同協会によると、欧州の航空業界が難航している主な原因は、各航空会社がアイスランドの火山による赤字約18億ドルのうち70%を負担しているためだ。ストライキなどの労使交渉も欧州の航空会社の業績に影響している。また、今年0.9%の経済成長では航空業界の回復は困難で、ユーロ危機により今後は更に多くの不確定要素がもたらされるだろう。
今年、世界の航空業の収入は昨年の4830億ドルを上回る5450億ドルにまで回復するが、08年の5640億ドルにはとどかないと予測される。また国際便の乗客数は+7.1%、貨物数は+18.5%で、予想されていた+5.6%と+12%を大きく上回るものとみられる。
「人民網日本語版」2010年6月8日