中国人民銀行通貨政策委員会の李稲葵委員はメディアのインタビューに応じ、「為替レート形成メカニズムの改革を再開するときがきた。今後、人民元為替レートは双方向に変動し、柔軟性を持つだろう。ただ、現在は人民元の大幅な変動、特に対ドルレートの大幅切り上げの条件は存在しない」と述べた。李稲葵氏はインタビューに対し、以下のように語った。
為替レート形成メカニズムの改革を再開するときがきた。中国国内を見ると、経済のV字型回復の動きは非常にはっきりしている。世界全体を見ると、欧州債務危機が発生したが、全体的に言って経済の全面的かつ大規模な2番底にはならない。
今後、人民元が双方向に変動するメカニズムができ、切り上がる可能性や対主要通貨で下落する可能性もある。ユーロの対ドルレートがさらに大幅に下がる、またはドルのその他の通貨に対するレートが大幅に上昇すれば、人民元は主要通貨の価値を参考にし、対ドルレートがある程度下がることも考えられる。そのため、人民元の対ドルレートを大幅に切り上げるということは理解できない。人民元が切り上がったとしても、歴史的経験に基づき、比較的合理的で、許容できる範囲内に抑え、漸進的な、制御可能な切り上げとなる見通し。