中国は世界経済に刺激を与えた

中国は世界経済に刺激を与えた。

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発信時間: 2010-07-28 15:22:59 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

--米国大西洋協議会のアルバート・ケイデル氏

米国大西洋協議会(The Atlantic Council of the United States)のシニア・フェローであり、ジョージタウン大学公共政策研究所で教授を務めるアルバート・ケイデル(Albert Keidel)氏はこのほど、人民日報の取材を受け、開口一番「世界の経済は減速の兆しを見せているが、これは中国とは全く関係ない」と語った。

ケイデル氏はかつて、米財務省東アジア政策担当副ディレクター、世界銀行駐中国代表所チーフエコノミストなどを務めたこともある、著名な中国経済の専門家だ。

同氏は、「世界的な金融危機が発生して以来、中国は強力な経済刺激策を講じ、市場のニーズ、特に輸入ニーズを大きく刺激した。危機が始まったころと比較すると、現在の中国の貿易黒字は驚くほど収縮している」とし、「中国は世界経済に刺激を与えた」と語る。

ケイデル氏は、中国は以下の五つの点で世界経済をサポートしたとする。

第一に、中国は2005年から人民元レート形成メカニズムの改革をスタート、市場の需給を基礎とし、通貨バスケットを参考にして調整を行う、管理された変動相場制を実施した。2008年の夏以降は、世界の金融市場が大きく動揺したが、中国は人民元対米ドルレートの安定を維持し、危機への対応と、国際的な金融市場安定に向け、貢献を果たした。もし中国が人民元の対米ドル相場を切り下げていたら、世界の市場がパニックに陥り、経済回復に影響が出ていただろう。

第二に、中国の行った経済刺激計画は、GDPに占める比率が大きいだけでなく、資金が直接雇用創出プロジェクトに投入された。これは、大量の資金を金融機関救済に投入する米国やヨーロッパの一部諸国のやり方とは違っている。

第三に、中国は優れた金融措置を採用し、輸出入におけるスムーズな貿易金融サービスを確保した。08年下半期と09年、貸付けが緊縮し、世界の各地域では貿易金融が困難となったが、中国との対外貿易が受けた影響は少なかった。

第四に、危機が発生して以来、中国はG20などのメカニズムを通じて、危機による貿易戦争ぼっ発の危険を回避し続けてきた。

第五に、中国は今回の危機をもたらした原因を正確に指摘した。米ドルの主導的地位、および、それによってもたらされた米国の過度な信用拡大。これは、世界の経済金融体系改革の内容の1つとなるべきだ。

このほか、中国の貿易黒字は、西側諸国の一部の経済学者により、世界経済のアンバランスの原因の一つと見られているが、ケイデル氏はこの見方に反対する。

ケイデル氏は、「中国の貿易黒字は米国の貿易赤字と比較すると、それほど大きくはない。今年上半期、中国の貿易黒字は米国の貿易赤字の約20%相当だった。大まかな計算によると、同期、ドイツの貿易黒字は米国の貿易赤字の30%に相当している。もっと重要なのは、中国の貿易黒字は今年上半期、昨年同期に比べて大きく減少していることだ。このため、世界的なすう勢から見ると、中国の貿易黒字は全く『巨大』ではなく、中国のような発展途上国にとっては適度なものとさえ言える」と述べる。

ケイデル氏はまた、「中国は外貨準備を利用し、輸入能力を大きく強化させた。非関税障壁の減少などの措置は、世界経済の回復に役立つだろう。つまり、中国が蓄積した外貨準備は、危機における無責任さを表すのではなく、その反対なのだ」と述べる。

「人民網日本語版」2010年7月28日

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