中国がエネルギー消費量でアメリカを越えて世界一になるのではないかとの議論に注目が集まっている。しかし、国家統計局が発表したデータにより、その議論は一旦小休止となりそうだ。
国家統計局が昨日発表した『2010年国民経済・社会発展公報』によると、2010年、中国のエネルギー消費量は5.9%増、標準炭換算で32.5億トンに達した。石油換算では約22.75億トン。エネルギー自給率は92%に達し、2009年の91.3%を上回った。
アメリカのエネルギー消費に関するデータはまだ発表されていないが、昨年10月のアメリカのエネルギー消費量は増加しており、2010年のエネルギー消費量は引き続き中国を上回ると見られている。
一般的にアメリカのエネルギー消費は毎年11月、12月にピークを迎えると言われていおり、2010年のエネルギー消費量は昨年より増加はしなくても、昨年と同じ水準には達すると見られている。2009年、アメリカのエネルギー消費量は石油換算で23.82億トンであり、昨日発表された中国の2010年の消費量(約22.75億トン)を上回っている。
昨年、国際エネルギー機関(IEA)のチーフエコノミストであるFatih Birol氏が中国のエネルギー消費量は22.65億トン(石油換算)となり、21.7億トンのアメリカを抜いて世界一のエネルギー消費国となるだろうと予測し、各界からの注目を集めた。
それに対し、中国政府は2009年の中国のエネルギー消費量は石油換算で約21.46億トンであり、米国エネルギー情報局の発表した23.82億トンよりも少ないと反論していた。
所謂「標準炭換算」とは、石油、天然ガスなどの各種エネルギー量を示す共通の指標である。国際的には通常、「石油換算」が使われている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月1日