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オープンからわずか2年の上海のバービー人形専門店. |
7日午後1時ごろ、上海のバービー人形専門店が閉店するという通知が発表された。2009年3月7日のオープンからわずか2年、3月8日の「婦女節」を待たずしての閉店となった。
中国市場は巨大な消費潜在力を有している。アップル社が中国で大成功を収めた一方で、バービーはなぜ失敗してしまったのか?上海富客斯の陸強CEOはこれについて、「バービーは中国人消費者の好みを十分に重視していなかった。これはバービーの中国進出以来、その位置づけにおいて常に直面してきた問題だ。中国の子供市場では現在、アニメキャラクターが流行している。これに対してバービー人形のファッションイメージは大人向けすぎる。ここ2年間の玩具市場を見ても、中国の子供や保護者には、面白い顔をした“ホイタイラン(中国の人気アニメキャラクター)”の方が受けている」と述べる。
あるウェブサイトで行われた投票では、バービー専門店の閉店理由として、「市場の位置づけが間違っていたため」とした人は67%、「賃貸料などのコストが高すぎたため」とした人は33%だった一方で、「バービー人形が高すぎたため」と答えた人はゼロだった。あるネットユーザーは「バービー人形は高くない。問題だったのはマーケティング面だ。広告が少なすぎ、対象範囲が狭すぎた。『女の子はみんなバービー人形を持つべきだ』とアピールすれば、3歳から30歳までの女性を一網打尽にできたのに」とコメントしている。
▽専門家の観点:ローカルマーケティングの不足
実は、バービーの主な収入源は1体100元の人形本体ではなく、アルマーニ・プラダなどのデザイナーが手がけたバービー人形の洋服とアクセサリーだ。洋服一着の価格は、往々にしてバービー人形よりも高い。しかし、中国でのマーケティングではこのようなバービー文化がほとんど普及されなかった。また、国外ではバービー人形で遊びながら育った「ママ世代」の顧客が多いが、中国ではこのような基礎が形成されていないという背景もあった。
中国小売研究センターの李飛副主任は、「標準化されたマーケティングが実施されたアップル社などと違い、バービーは少し前に中国を撤退したばかりのBest BuyやHome Depotなどの企業と同じ特徴を持っていた。つまり、現地化とローカルマーケティングの不足だ。バービーは小売店であり、販売範囲が限られている。ローカルマーケティングをしっかり行うことが要となる」と述べる。
「人民網日本語版」2011年3月9日
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ホイタイラン |