積極的に海外進出を果たす企業とそうでない企業では、業績に明らかな差がある。約50%の自動車を日本で生産し、日本での販売台数が輸出台数よりも少ないトヨタは、2011年度の純利益が前年比50%減になる見込みである。一方、国内での生産がトヨタの4分の1である日産の純利益は前年比9%減にとどまる見込みである。
日本の大手金融サービス会社、オリックスの宮内義彦会長は、これまでずっと高度に保護を受けてきたサービス業の自由化を提唱してきた。製造業に関して、宮内会長は日本に残して衰退させるのではなく、生産を海外に移転して発展させるべきだとの見解を示している。宮内会長は、「日本企業は世界に出ることでさらに強くなる。国内だけで活路を見出そうという企業は生き残れない」と主張した。
再び世界で活躍することが、日本企業の共通の目標である。しかし、輝かしい歴史を残し、栄光と夢を積んだ巨大な工場が企業の負担となっている。