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japanese.china.org.cn | 03. 06. 2013

野村総研首席コンサルタントが見た中国経済の「新未来」

タグ: 野村総研 松野豊 フォーチュン 中国経済

 

 

Q4.中国の経済が今直面しているさまざまな問題は、当時の日本と同じだと言われておりますが、中国経済が一番警戒しなければならないのは何だと思われますか。

松野氏:中国の経済が今直面している最も重要な課題は、どのように「経済構造の転換」を着実に進めるかである。また工業化の途中段階であるにもかかわらず環境汚染問題が深刻化してきている。

世界のエネルギー事情や先進国の景気循環を考慮すると、中国経済は、現在の「多エネルギー消費」「設備投資依存型」「付加価値製造業型」から「省エネ型」「内需牽引型」「サービス業主導型」の産業構造に転換していかなければならないことは明らかである。

だから現在の中国は、1960~70年代当時の日本とは同じではない。日本は1960年代から経済成長に合わせて国家の産業構造を約10年おきに転換することに成功した。1970年代は2度のオイルショックに見舞われたため資源不足やインフレ状態に陥ったが、この時は基幹産業の生産調整や企業再編を進め、また国家の製造業を国際競争力のある自動車、家電などの「組立て産業」にシフトさせた。さらに1980年代は、70年代のエネルギー危機の経験を踏まえて省エネ型産業を重視し、産業構造を半導体、コンピュータ、マイクロエレクトロニクス、新素材などの「ハイテク産業」に転換させることに成功した。

中国が警戒しなければならないのは、経済構造の転換を阻む原因となっている①地方政府の不動産ビジネス、②地方政府の保護主義(古い効率の悪い企業が市場の中で存続してしまう)、③企業の環境汚染軽視(環境汚染防止は省エネにつながり、企業の競争力が増す)などを課題する糸口が現時点では充分に見えないことである。

 

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