【新華社北京11月23日】多層化された資本市場制度の整備から、株式発行登録制度の改革、規範化された債券市場の構築から資本市場の双方向の開放まで、中国共産党第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)は今後の資本市場に向けたトップダウン設計を明確に示した。これらの目標を実現することについて、中国証券監督管理委員会(証監会)の肖鋼主席は先般、「資本市場の改革を進めるにあたり、市場化・法治化・国際化の方針を堅持し、今後は、競争力をより一層高めるために、どのような取り組みが必要かを研究すべきであり、それが極めて重要である」との見方を示した。22日付中国証券報が伝えた。
肖主席が資本市場の「人差し指」に例えた証券、先物、ファンドなどといった機関投資家の発展について、関連部門はすでに各業種が定めた中長期発展計画に基づき、上級機関に報告していることが分かった。
◆市場全体を活性化する「人差し指」
肖主席が「5本指理論」の中で、機関投資家を「人差し指」に例えた理由は、各々のプロセスをつなげる仲介役として、機関投資家は市場全体を活性化する役割を担うため、五本の指の中で最も機能的な「人差し指」と似ているからである。「資本市場改革は市場化・法治化・グローバル化を堅持する」との肖主席の方針を徹底するためには、仲介機関は欠かせない存在である。アナリストは「市場化は第1に指摘された資本市場改革の方針であり、証監会の改革政策が集中すると見られる」と指摘する。
三中全会開催前後、資本市場では多くの業種が中長期的な発展に関するトップダウン設計を打ち出し、中長期発展計画が定められた。証券業を例に挙げれば、関連部門は総合的な検討を重ねた結果、証券業の発展の目標として、「10年で10倍」の成長を掲げた。つまりは2022年をめどに、主要業務の規模や財務状況、社会貢献度を反映した数値を2012年の10倍前後に引き上げると言うことである。年間に換算した場合、年平均の成長率は約26%となる。
◆外国資本の国内証券会社への株式参入を増やす
管理・監督部門と業種団体は絶えず、証券業の強大化に取り組んできた。中国企業の海外進出と足並みを揃えた発展を実現するために、グローバル化を推し進めてきた。証券業のグローバル化の展望について、前述した中長期発展計画は、「証券業の対外開放の水準は大幅に向上しており、証券会社のグローバル化した経営力も著しく強化されている。中国経済の対外開放が進む中、中国企業の世界進出、買収・合併(M&A)・再編、クロスボーダーの発展を後押しし、国際市場における中国経済の影響力を引き上げる」ことを提起している。
目標の実現に向けて、中長期発展計画は、「条件を満たした証券会社の株式発行・上場やM&A・再編、クロスボーダー業務や総合経営の試行の先行実施を支援し、強化と拡大を絶えず続けることで、それが金融システムにおける重要機関になるよう努める」ことを掲げている。
業界関係者は「金融システムにおける重要機関へと成長できるかどうかの鍵は、グローバル化をどの程度進められるかである。今後、クロスボーダー業務の割合が高まるにつれ、国際市場において、強力な資源配分能力と影響力を持ち、価格決定権を把握している証券会社はより多くの支援を得られる見込みだ」と述べた。
具体的な政策に関して、一つは「海外資本を中国国内へ引き込むこと」であり、外資の国内証券会社への株式参入比率の引き上げや、証券会社の合弁事業の範囲拡大が期待されている。また、他方では「国内証券会社の海外進出」の面で、クロスボーダー業務はより多くの政策支援を得られる見込みである。
(新華網日本語)