日本の貿易赤字は2011年3月から33カ月連続で、赤字額は拡大している。円安を背景に燃料の輸入額が増加したことが貿易赤字の主な原因だ。円相場は1ドル=100.03円で、前年同月比23.7%の円安だった。過去12カ月(2013年11月まで)の貿易赤字は前年同期に比べ4兆3000億円の増加、そのうち燃料輸入の増加分が2兆9000億円で、赤字増加額の3分の2を占めた。日本大学の水野和夫教授は「赤字増加の主な原因は2012年まではドル建ての原油価格の高止まりにあったが、その後は円安にある」と指摘する。
水野教授は、円安政策のデフレ脱却に対する役割を改めて見直す必要があるとの見方を示す。円安で輸出製品の価格が下がり、輸入製品の価格が上がったことが、競争力優位性の取引条件が悪化しつつあることを示唆している。「アベノミクス」実施から1年、日本の国内総所得(GDI)は減少し、一般家庭の購買力は下がった。2013年7-9月期の労働者所得は前期比0.6%減、前年同期比0.3%減だった。