現在、黒竜江省を除く全国30省・自治区・直轄市の上半期国内総生産(GDP)データが明らかにされている。データによると、22カ所は上半期のGDP増加率が全国平均を上回り、中部・西部地域の増加率が引き続き東部地域を上回った。人民網が伝えた。
習近平総書記は昨年6月に開催された全国組織政策会議で、「調査の方法・手段を改善し、発展をみるとともに基礎をみるようにし、目立った業績をみるとともに隠れた業績をみるようにし、国民生活の改善、社会の進歩、エコロジーの効果といった指標と業績を重要な調査内容にする必要がある。また単純に国内総生産の増加率だけで地方指導者を評価してはならない」と述べた。
中国共産党中央政治局は目下、次のように強調する。「経済の成長ペースを正確に見据えれば、中国の発展は一定のペースを維持する必要があり、そうしなければ多くの問題は解決が難しくなる。よってわかることは、「GDPで地方指導者を評価しない」ことを背景として、経済の法則に則った科学の発展をどのように遵守し、一定の成長ペースをどのように維持するかが、各地方が今真っ先に解決すべき問題になっているということだ」。
▽東北地区の伸びが底をつき、地域経済にはより方向を絞った措置を
上半期の増加率を省区市別にみると、西蔵(チベット)自治区が11.7%でトップに立ち、重慶市、天津市、青海省、貴州省なども10%を超えた。河南省と青海省を除き、今年上半期の増加率は前年同期を下回り、ここから現在の各地域の経済には今なお大きな下ぶれ圧力がかかっていることがわかる。地域的にみると、上半期には中部と西部の経済成長ペースが引き続き東部を上回り、東北地域は東部を下回った。東北3省のうち吉林省と遼寧省がデータを発表しており、いずれもGDP増加率は下位にある。データを発表していない黒竜江省は、第1四半期(1-3月)の増加率が4.8%で底をつき、市場では上半期増加率ランキングで同省が最下位になることは間違いないとの見方が広がる。
国家発展改革委員会関連部門の責任者によると、下半期の地域経済はより方向性を絞った政策・措置を取り、発展の活力を一層かき立て、東北地域の経済下ぶれ傾向を転換させるよう努力することになる。中部・西部地域の発展を促進する関連の政策・措置を着実に実行し、内陸部と国境地域の開放を推進し、中部・西部地域の経済の安定した急速な伸びを維持していくという。
▽30省区市のGDPの合計が全国の合計を超える チェック態勢の改善必要
国家統計局がまとめたデータによると、2014年上半期のGDPは26兆9044億元(1元は約16.6円)だった。30省区市のGDPの合計は29兆7114億4900万元で、全国の合計を10.43%上回った。
各地方のGDPの合計が全国の合計を上回るという状況が続いている。同局の馬建堂局長が今年3月に述べたところによると、近年は一部の地方にGDPを崇拝する傾向が多かれ少なかれあり、GDPを増やすために、消費や環境を計算に入れないところもあれば、虚偽のデータをうち出すところもある。こうした問題を解決するためには、チェック態勢を改善し、級別の計算方法を国の統一的な計算方法に改める必要があり、今年下半期に統一的計算プランを制定する予定という。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年8月6日