最後に、人類文明を革新し、協力の新理念を探る。「経済ベルト」という概念自体が地域経済協力モデルの革新であり、このうち中国・ロシア・モンゴル経済回廊、新ユーラシア大陸ブリッジ、中国―中央アジア経済ベルト、バングラデシュ・中国・インド・ミャンマー経済回廊などは、経済成長軸によって周辺に波及し、伝統的な開発経済学の理念を超越するものだ。中国は世界最大の貿易国だが、非同盟政策を遂行し、海洋の覇者である米国との新型の大国関係の構築を打ち出している。中国は21世紀の海洋協力の新理念も打ち出し、水上運輸、物流、安全協力モデルの革新を主張し、港湾の共同建設・享受などの方法を通じて、海上と陸上のシルクロードの連結を進めている。「21世紀の海のシルクロード」の重要な点は「21世紀」にある。これは中国が海洋への拡張、衝突、植民地支配というかつての西側列強の道を歩まず、米国の海洋覇権との対抗というよからぬ道も歩まず、伝統的グローバル化のリスクを効果的に回避し、調和的共生、持続可能な発展という新型の海洋文明を切り開こうとすることを示している。
「1ベルト、1ロード」は共同建築、共同享受、ウィンウィンの理念を強調し、開放と「あまねく広がる」の原則を強調する。これは沿線国、沿岸国に対して、地域の既存の協力メカニズムとの共存を要求するだけでなく、露米欧日など域外勢力を排除するのではなく、互いに受け入れ合うことも要求する。これは「中国の夢は素晴らしい生活を追い求める世界各国の人々の夢と相通じる」との理念を行動によって実践するものだ。
要するに、世界の日増しに増加する需要と後れを取ったグローバル化供給との間の矛盾が、中国の発展と「1ベルト、1ロード」建設の動力だ。この理念に従い、シルクロード文化を広め、シルクロードのストーリーをうまく語り、シルクロード精神を明らかにすることが、シルクロード・パブリック・ディプロマシーの努力の方向であるべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年2月7日