中国初の国産大型旅客機として、「C919」の開発プロジェクトは始動以来、研究・製造の進ちょくに注目が集まっている。
11月2日、「C919」初号機の組み立て完了を祝う式典が上海で行われた。中国による大型旅客機の自主開発・製造の実現が世界に宣告された。関係者によれば、「C919」は現時点ですでに21社から517機の注文を受けている。
中国が大型航空機の開発に着手してからすでに長い年月が経っている。業界関係者は、「C919」の組み立て完了は重要な意義を持つと分析。「C919の商業化は必ず成功すると確信している。世界の大手航空機メーカーも、一部の生産ラインを中国に移している。その受け皿となるCOMACにとって、これもプラスに働く」との見方を示した。
「C919」は中国が知的財産権を有する中・短距離商用機。「Y-10」に続き、自主設計・開発した2機種目の国産旅客機でもある。航続距離は標準型が4075キロメートル、長距離型が5555キロメートルに上り、航空会社が運航する様々な路線に対応できる。開発にあたって、「安全、快適、省エネ、環境に優しい、競争力のある中・短距離商用機」が目標。今後の販売については、中国国内から市場を広げ、海外への輸出も視野に入れ、仕様や航続距離が違う様々なタイプを投入する計画だ。
「C919」初号機は14年9月19日から、上海・浦東にあるCOMACの工場で最終組み立てが開始。1年間あまりをかけて組み立てが完了した。
「C919」の初フライトに関しては、COMACの関係者は「来年になるが、詳細はまだ決まっていない」と話す。現時点で国内外の航空会社9社、ファイナンスリース会社12社から、合わせて517機を受注している。