中国人民銀行の周小川総裁は12日、第12期全国人民代表大会第4回会議の記者会見で、外国為替市場が変動する問題について、変動している間に中国の外貨バランスが正常、合理、ファンダメンタルに向かって回帰するとの見解を示した。「特殊な状況が無ければ、こうした傾向は今後も続いていくと思う」と述べている。
周小川総裁は、「米ドル買いを急ぐ必要はない」と強調。市場マインドが変動したり、うわさが出ることは時々あると指摘した。
最近の為替レート変動が比較的大きい原因について、中国経済が下振れ圧力に直面するなか、中国の金融市場と株式市場が不安定となり、大幅な落ち込みも何度かあったため、「人々が少し緊張し、市場マインドに影響を及ぼした」と説明。また、海外で欧州と日本が講じた量的緩和策や、米FRBの利上げなども原因に挙げた。
今後しばらくの間に変動が収まるかどうかを予測することは、非常に難しいという。ただ、事態がどのように変化しても、突発的な出来事の後には常に、漸進的な回帰するプロセスがあると指摘。状況が落ち着いていけば、市場参加者の見方も正常に向かうとみている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月12日