国務院弁公庁はこのほど「品質発展綱要2016年行動計画の実施の貫徹」を印刷・配布し、今年の主な活動内容を「発展の質と効果の向上を軸とし、品質・ブランド向上行動を展開し、供給側の構造改革を強化し、品質強国の建設を推進する」とした。「質・ブランド向上の原動力の強化」では、労働者の職業技能と品質の素養の向上に取り組み、品質・技術革新の積極的な推進、先進的な管理制度と基準の導入の奨励などが強調されたが、真っ先に取り上げられたのは「品質向上行動の展開」だ。これには空気清浄機、炊飯器、ウォシュレット、キッチン用品などの消費財を中心とする質向上計画で、品種を増やし、品質を高め、ブランドを樹立することになる。
ウォシュレットが消費者のホットな話題となったのは、メディアが昨年春、訪日中国人客による「爆買い」を取り上げたからだ。「爆買い」の対象には、電動歯ブラシ、炊飯器、その他の家電製品が含まれる。中国人は以前、「安くて高品質」を理由に海外旅行時に各種贅沢品を購入していたが、ウォシュレットのような商品は人民元換算で3000元以上はし、安くないばかりか「メイド・イン・チャイナ」だ。国内メーカーはこれに不満を募らせている。海外ブランドを崇拝する心理を批判するよりも、なぜ中国独自のブランドが樹立されていないのかと追及するべきだ。この点から見れば、中国ブランドの樹立は特定の業界や企業の責任ではなく、誰もが自らの取り組みを強化する必要がある。ただのライターや爪切りを作るにしても、ブランド意識を持つべきだ。
ブランド樹立では、製品のバラエティー豊かな特色により各消費者の需要を満たすほか、製品の質向上が最も根本的な方法となる。中国メーカーは、日本のウォシュレットの重要部品「マイコン」が中国製であり、かつ中国メーカーの製品は今や日本ブランドにも引けをとらないと不満を漏らしていた。しかし同じ品質についても、昨年の全国両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)に出席した全国政治協商会議委員は、「西単でウォシュレットを購入した。価格は同じ程度だったが、数日で使いにくくなった」と話していた。両者を比較し、どちらを信じればいいのだろうか?質向上を論じるならば、自社製品を縦向きで比べるほか、横向きでも比較し、より高基準の比較方法を形成するべきだ。自社製品がどれほど高品質だと自慢しても、購入者に認められなければ意味がない。
ウォシュレットや炊飯器などの質向上を足がかりとし、各業界が質向上に本腰を入れれば、品質強国はもう目の前になる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年4月24日