中国産ジェット旅客機に海外メディアが注目
中国産ジェット旅客機に海外メディアが注目。
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中国産ジェット旅客機「ARJ21」の運航開始に世界の商業航空市場が神経をとがらせているもようだ。「ARJ21」初飛行の28日、海外メディアは一斉に次のように報じた。
ロイター通信は、「中国初の国産ジェット旅客機「ARJ21」が商業運航を開始」との見出しで次のように伝えた。ARJ21-700型旅客機は同日、乗客70人を乗せて四川省の成都から上海に向けて飛び立った。同機は中国が自主開発した初のジェット旅客機で成都を拠点に運航、中国の民間航空機市場の発展にとって重要な一歩となるーー。
AP通信は、中国は世界最大の航空機市場だが、これまでは外国製の航空機を使用してきたとした上で、「北京は外国企業からおこぼれに与ろうとしている」と指摘。向こう20年間の中国における商用ジェット機需要は5580機、総額にして7800億ドルに上るとするボーイング社の予測を伝えた。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国産の同ジェット機の運航開始は「当初の計画より10年遅れ」とした上で、「承認過程に長い時間をかけたのは、中国民用航空局の慎重姿勢の表れだ」と報じた。ARJ21は中国産と謳っているが、実際には米大手航空機メーカー、マクドネル・ダグラス製の「MD－90」の焼き直しであり、電子機器からエンジン、主翼の設計に至るまで海外の技術に頼っていると手厳しく指摘。一方で、中国の商用ジェット機メーカーは欧米の大手メーカーとの差を縮小しようと腐心、中国の目標は世界に向けて中国産航空機の安全性、信頼性をアピールすることだと報じた。
ARJ21誕生の軌跡を描いた『ある国家のテイクオフ――中国商用ジェット機の生死をかけて』の作者で、新華社解放軍分社の劉済美記者は28日、『環球時報』の取材に対し、次のように述べた。ボーイングやエア・バスなど世界的な航空機メーカーは今やすべて「完成機メーカー－サプライヤー」というビジネスモデルを採用し、共同開発でコストダウンに取り組んでいる。「国産化率」といってもすべての部品が国産である必要はない。ARJ21が有する独自の知的財産権とは、システムを集積する力であり、プロジェクトを総合的に管理する力であって、これこそが中国民間航空機の核心的競争力だといえるーー。
ARJ21-700型機は2014年12月に中国民用航空局から型式証明（合格証）の交付を受けた。中国で初めてアメリカ連邦航空局（FAA）に型式証明の取得を申請したジェット機でもある。審査は最終段階に入っており、承認されれば海外からの受注も見込める。同機は上海にある航空機メーカー、中国商用飛機有限公司（COMAC）が製造する。
香港の英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポスト（南華早報）は、英航空専門家の分析を引用して、「航空機メーカーの新たな一員になることは容易ではない。機体そのものの安全性だけでなく、潜在顧客をいかに説得して、あらゆる技術的な問題を迅速かつ効率的に解決し得る力を持っていると信じさせるかが重要だ」と伝えた。
中国民用航空局の李健副局長も『環球時報』の取材に対し、「初飛行の成功は商業的な成功にはあらず」と指摘。初飛行の成功は実に喜ばしいことだが、旅客を乗せる航空機としての歩みはまだまだこれからだ。運航の質と安全性の向上、顧客の満足度向上に努めるとともに、快適な乗り心地を提供し続けていくことが市場競争では不可欠だとの認識を示した。
「中国網日本語版（チャイナネット）」2016年6月29日
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