近年、漢方医学のブームが盛り上がりを見せている。屠ユウユウ氏が発見してノーベル賞を受賞した抗マラリア薬「アルテミシニン」は、世界の数百万人の命を救った。リオ五輪大会では、競泳界のスターのフェルプスの体に刻印されたカップリングの跡が「中国印」として話題となった。国家衛生・計画生育委員会副主任で国家中医薬管理局局長を務める王国強氏は、「『健康中国』建設の重要な推進役となる漢方薬は、そのユニークな価値をますます際立たせ、国際社会の幅広い評価と関心をますます受けつつある」と語る。漢方薬はすでに183カ国・地域に広まり、世界的な「漢方医学ブーム」が形成されている。
中国は現在、国外に10カ所の漢方医学センターを持ち、いずれも現地の人々の歓迎を受けている。王国強氏によると、チェコの漢方医学センターでは、すでに半年先まで患者の予約が入っており、漢方医学の治療効果は同地で広く認められている。「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)戦略の推進においても、沿線各国が、中国との国際交流・協力を強化し、現地の国民のために中国の伝統医学を導入することに希望を示している。
王国強氏によると、漢方医学による治療は、有効である上に便利で、費用も総体的に安いという長所を持つ。医療費を抑えることは、中国だけが直面する問題ではなく、世界的な難題でもある。医療費の急速な増加をいかに制御し、医療保障による支えを万全なものとするには、シンプルで有效な方法を探す必要があり、この面で漢方医学には多くの参考にすべきメリットがある。
王国強氏によると、中国はこれまで長期にわたり、世界の伝統医薬の発展推進に努めてきた。70カ国・地域にこれまで派遣された医療チームには基本的にいつも漢方医薬の人員が加わってきた。中国がすでに締結した漢方医薬での協力合意は86件に達し、漢方の技術人員400人余りが援助のために40カ国余りに派遣されており、被援助国の政府と国民からも高い評価を受けている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月10日