中国とオーストラリアの自由貿易協定(FTA)は12月20日、発効から1周年を迎えた。この1年間で、関税引き下げ、中国の中所得層台頭、消費高度化という追い風に乗り、オーストラリアのワインや乳製品、牛肉、保健用品、ロブスターなどが大量に中国市場へ持ち込まれた。貿易のやり取りがさらに頻繁となったほか、中国-オーストラリアFTAの締結が企業の投資マインドを強化。中国企業がオーストラリアで大規模な買収活動を相次いで開始し、今年は中国からオーストラリアへの非金融対外投資が大幅に増加した。
中国商務部の沈丹陽報道官は12月23日の定例記者会見で、双方の貨物貿易構造が合理化され、オーストラリアから中国への鉄鉱石、銅粉、アルミニウム粉の輸出が減る一方、農産物、保健用品など消費財の輸出が大幅に増えたと説明。うち保健用品の増加率は9倍を超え、果物は約2倍、ワインは33%に達した。
中国の消費者に対する影響も至るところにみられる。スーパーや電子商取引プラットフォームなどを通じ、オーストラリアの牛肉、ロブスター、果物などの農産物が大量に流入。現在、オーストラリアは中国にとって最大の農産物と海産物の輸入品供給国の一つとなり、中国はオーストラリア産赤ワインの最大の輸出市場、かつ日本に次ぐ第2の乳製品輸出相手国となった。