
多くの人がアニメ分野という一つのケーキに目を付けた結果、作品を作れば作るほどケーキが大きくなり、アニメの関連商品に対する依存度が高まっている。しかし、ケーキを分ければ取り分は小さくなり、製作会社やアニメーターの収益は減少し、新人にとって、魅力のない業界になってしまい、漫画化、テレビ化、映画化されるうちに、版権の問題が複雑になっていっている。その他、コンテンツの監督・管理が一層厳しくなり、中国の人件費高騰によりアウトソーシングのコストも向上、加えて世界的に作品のコピー版が出回るという問題があり、低迷する日本のアニメ業にとってはさらに苦しい状況となっている。
中国でアニメの人気に陰り?
1941年、万籟鳴(ウォン・ライミン)と万古蟾(ウォン・グチャン)の万氏兄弟が製作したアニメーション映画「西遊記 鉄扇公主の巻(原題:鉄扇公主)」が世界で大ヒットし、「漫画の神様」と呼ばれる手塚治虫もこのアニメを見て、医師の道を捨て、漫画家となり、日本の第一次アニメブームを牽引した。その後、中国では、木彫り人形アニメ、水墨アニメ、シルエットアニメなどが続々と発展し始めたものの、近年はというと、「喜羊羊与灰太狼(シーヤンヤンとホイタイラン)」、「熊出没」を代表とするアニメが好評を博しているが、中身があまりなく、その人気には既に陰りが見えるなど、中国国産アニメの台頭という重責を担うまでには至っていない。15年、「西遊記之大聖帰来 (Monkey King: Hero is Back)」が中国で大ヒットしたが、その後に続く作品は果たして出てくるのだろうか?












