周小川中国人民銀行行長(総裁)は3月10日、「金融改革と発展」についての記者会見で、「外貨準備の減少は正常だ。中国はもともとそれほど多く必要としていなかった。従って、適度な減少は悪いことではない」と述べ、次のような考えを示した。「現在、中国が保有する3兆ドル前後の外貨準備高は依然として世界一で、第2位をはるかに上回っている。そのため、政策策定の面で我々は平常心で臨んでおり、過剰に反応する必要はない」。
ここ数年、中国の外貨準備は最高額の4兆ドルから現在の3兆ドル前後に減少し、国際社会では人民元レート問題への懸念が広がっている。
これに対し、中国人民銀行の易綱副行長は次のような考えを示した。「外貨準備利用と人民元レートの基本的安定維持は、弊害より利益が多く、中国や国際社会のどちらにもメリットがある。中国は人民元レートの基本的な安定維持において、市場の法則に従っており、人民元レートは弾性を保っている。この弾性は中国が国際収支の基本的均衡を取る上でもスタビライザーとレギュレーターになっている」。
人民元の通貨バスケット入りについて、易副行長は次のように答えた。「昨年、人民元は国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)通貨バスケットに加入した。人民元は国際通貨システムにおいて制度的な発言権を持つようになっている。人民元がバスケット入りし、国際通貨の第一陣に仲間入りした現在では、外貨準備の最適化についてさらに総合的に考慮することができる」。
「北京週報日本語版」より2017年3月12日